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設計2(設計編 第2回)・ アウトカム基盤型教育・逆向き設計

アウトカム基盤型教育と逆向き設計 — シラバスは『出口』から書く

このモジュールを終えると、次のことができるようになります

ナレーションは合成音声。監修待ち(開発版)。

この回の解説記事
📖 アウトカム基盤型教育と逆向き設計 — ゴールから考えると科目が変わる

深掘りの読み物 ・ 約10分

台本を読む(制作用ドラフト・監修待ち)

コールドオープン(約30秒)

[映像] 深夜の研究室。デスクライトの下、シラバス入力画面。カーソルが「授業内容」欄で点滅している。

[テロップ] 締切前夜、あなたはどの欄から書き始めますか?

講師: シラバスの締切前夜。多くの先生が最初に開くのは、「授業内容」の欄です。第1回は総論、第2回は解剖と生理……教科書の章立てに沿って15コマを埋めれば、シラバスは完成に見えます。でも、ひとつ質問させてください。あなたの科目を終えた学生が「何ができるようになるのか」、一文で言えるでしょうか。今回は、この問いから教育を組み立て直す考え方——アウトカム基盤型教育と逆向き設計のお話です。

セクション1: 従来型とOBE — 何を固定するか(約90秒)

[映像] 天秤のアニメーション。左に「時間・内容」、右に「成果」。

講師: 従来の教育は、時間と内容を固定してきました。60分掛ける15コマという時間割と、教える内容の進度表。この2つを守れば、教育の責任は果たされたことになります。その代わり、学生の到達度は60点の学生から95点の学生までバラバラで、それは仕方のないものとして受け入れられてきました。

アウトカム基盤型教育、OBEはこれを逆転させます。1999年、HardenらがAMEEガイド14で医学教育に体系化したこの考え方では、固定するのは「成果」です。卒業時、科目終了時に学生ができるべきことを先に決め、全員をそこへ到達させるために、内容と方法と評価を組み立てる。問いが変わるんです。「今日は何を教えようか」から、「学生は何ができるようになったか」へ。国家試験と臨床という明確な出口を持つ医学教育は、本来この考え方と最も相性の良い領域です。

[テロップ] 従来型=時間・内容を固定、成果が変動 / OBE=成果を固定

セクション2: 逆向き設計の3段階(約100秒)

[映像] 3つのステップが右から左へ、ゴールから逆算する矢印で並ぶ図。

講師: では、出口から設計するとは具体的にどうするのか。WigginsとMcTigheが定式化した「逆向き設計」は、3つの段階を踏みます。第1に、求める結果の明確化。学修を終えた学生は何ができるべきか。第2に、承認できる証拠の決定。できるようになったことを、どんな評価で確認するか。第3に、学修経験の計画。ここで初めて、講義や実習の中身を考えます。

ポイントは順序です。評価を、授業計画よりも先に決める。意外に感じるかもしれませんが、理由は単純です。学生の勉強の仕方を実際に決めているのは、シラバスの文言ではなく「試験に何が出るか」だからです。「患者を評価できる」と掲げながら試験が暗記問題なら、学生は合理的に暗記に走ります。アウトカムと評価と学修経験がひとつの線でつながって、初めて設計と呼べるのです。

[テロップ] ①求める結果 → ②承認できる証拠 → ③学修経験

セクション3: アウトカムはどこから来るか(約80秒)

[映像] ピラミッド型のカスケード図。頂点から「卒業コンピテンシー→学年→科目」と降りていく。

講師: もうひとつ大事なのは、科目のアウトカムは白紙から自由に書くものではない、という点です。各大学にはディプロマ・ポリシー、つまり卒業時に保証する資質・能力の宣言があり、それを具体化した卒業コンピテンシーがあります。そこから学年のアウトカムへ、そして科目のアウトカムへと、段階的に降ろしていく。これをカスケードと呼びます。国レベルの参照枠が、令和4年度に改訂されたモデル・コア・カリキュラムです。この改訂では、卒業時に求められる資質・能力が第一階層に置かれ、章立てそのものがアウトカム基盤に再編されました。自分の科目が卒業コンピテンシーのどこに寄与するのか。この問いに答えられる科目は、プログラムの中で存在理由を説明できます。

セクション4: K教授、出口を初めて言葉にする(約60秒)

[映像] K教授が白紙のノートに向かう。「循環器を終えた4年生は、何ができるべきか?」の手書き文字。

講師: 前回、平均85点なのに病棟で学生が動けないことに悩んでいたK教授。今回は「授業内容」の欄を閉じて、白紙にこう書きました。「胸部症状を訴える患者の鑑別を挙げ、初期検査を選び、結果を解釈できる」。書いてみて気づきます。12コマのうち、この出口に直結する講義は半分もない。20年間、内容のリストは持っていたけれど、出口の像は持っていなかった——K教授の再設計が、ここから始まります。

まとめと次回予告(約40秒)

[テロップ] シラバスは「授業内容」欄から書き始めない

講師: まとめます。OBEは成果を固定する教育。逆向き設計は、結果、証拠、学修経験の順に決める手順。そして科目アウトカムは、ディプロマ・ポリシーからのカスケードで導く。まずは、あなたの科目の「出口の一文」を書いてみてください。次回は、その一文を測定可能な学修目標へ磨き込む方法——「理解する」では、なぜ測れないのか、を扱います。

理解チェック

選ぶ前に、いちど自分の答えを予想してみましょう(想起練習)。

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監修状態:監修待ち(開発版)