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設計4(設計編 第4回)・ 能動学修・学習科学

教育方略の科学 — 60分講義を捨てずに変える

このモジュールを終えると、次のことができるようになります

ナレーションは合成音声。監修待ち(開発版)。

この回の解説記事
📖 教育方略の科学 — 講義を超えて

深掘りの読み物 ・ 約10分

台本を読む(制作用ドラフト・監修待ち)

コールドオープン

[映像] 講義室。教員が「先週やった三徴、覚えていますか?」と問いかけ、静まり返る教室。ノートをめくる学生の手元のアップ。

講師:先週、60分かけて丁寧に説明した内容。スライドも配った。学生は熱心に蛍光ペンを引いていた。それなのに一週間後、教室は静まり返っています。「最近の学生は復習しない」——そう嘆く前に、一つ考えてみてください。私たちが選んでいる教え方、そして学生が選んでいる学び方は、本当に「効く方法」なのでしょうか。今回は、学習科学が明らかにした「記憶に残る教え方」の話です。

[テロップ] 設計4 教育方略の科学 — 講義を超えて

セクション1:流暢性の罠

[映像] 蛍光ペンでびっしりマークされた教科書のページ。「スラスラ読める=覚えた?」のテロップが重なる。

講師:学生の勉強法で最も多いのは、再読と蛍光ペンです。ところが学習研究では、この2つは効果の低い方略の代表とされています。理由は「流暢性の罠」。同じ文章を2回読むと、2回目はスラスラ読めます。脳はこのスラスラ感を「覚えた」と誤解するのです。でも、読めることと、何も見ずに思い出せることは、まったく別の能力です。試験でも病棟でも求められるのは、思い出す力のほうですよね。

本当に効くのは3つ。資料を見ずに思い出す想起練習。一夜漬けではなく間隔を空けて繰り返す分散学習。そして「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明する精緻化です。実は、このFD講座自体、動画の後に想起チェックがあり、K教授の事例が毎回形を変えて再登場しますよね。あれは皆さんに想起練習と間隔反復を仕掛けているのです。

セクション2:能動学修のエビデンス

[映像] 論文の書誌情報カード「Freeman et al., PNAS 2014」。棒グラフで不合格率 33.8% 対 21.8% を対比。

講師:「聞くだけの講義」と「学生が頭を動かす能動学修」。どちらが効果的か、225の研究を統合したメタ分析が2014年に発表されました。結果、能動学修は試験成績を平均約6%高め、講義のみの授業では不合格率がおよそ1.5倍。著者たちは「これが臨床試験なら、対照群を続けることが倫理的に問題になる」とまで書いています。私たちは診療ではエビデンスで治療を選びます。教育でも、同じ姿勢をとりたいところです。

セクション3:60分講義を捨てずに変える

[映像] 4つの手法カードが順に並ぶ:講義内小テスト/think-pair-share/ピア・インストラクション/ARS投票の画面。

講師:とはいえ、講義を全部作り替える必要はありません。冒頭5分に前回範囲のクイズを3問——これだけで想起練習と分散学習が同時に回ります。問いを出して、1分考えさせ、隣と2分議論させる think-pair-share。そして概念を問う選択問題に個人で答えさせ、隣の学生と説得し合ってから再投票するピア・インストラクション。正答率が3〜7割になる問題を出すのがコツです。割れるからこそ議論が生まれます。

より本格的に変えるなら、教員1名で大人数を回せるチーム基盤型学習(TBL)、チューターを揃えられるなら問題基盤型学習(PBL)、動画を作る初期投資ができるなら反転授業。流行ではなく、人数とマンパワーと到達水準で選んでください。

セクション4:K教授の場合

[映像] K教授のデスク。12コマのシラバスに「冒頭クイズ3問」「症例PI 1問」の付箋が貼られていく。

講師:K教授は決めました。「各コマに能動的要素を1つ」。全コマの冒頭に想起クイズ3問、中盤に症例ベースのピア・インストラクションを1問。スマホ投票をしてみると、自信を持って教えた箇所の正答率が55%だと判明します。平均85点の裏で、こんなに分かっていなかったのか——。準備は週30分。それでも講義室の空気は変わり始めました。

まとめと次回予告

[テロップ] 今日の要点:①流暢性の罠を疑う ②想起練習・分散学習・精緻化 ③能動的要素を1つ組み込む

講師:スラスラ読める感覚を信じない。思い出させ、間隔を空け、説明させる。そして次の講義に、能動的な部品を1つだけ入れてみる。それが今日の持ち帰りです。次回は教室を出て、病棟や外来で教える技術——One-Minute Preceptor とフィードバックの型を扱います。忙しい臨床の合間の5分を、最高の教育機会に変える方法です。

[映像] 次回タイトルカード「設計5 臨床現場で教える — 1分間指導医とフィードバック」

理解チェック

選ぶ前に、いちど自分の答えを予想してみましょう(想起練習)。

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監修状態:監修待ち(開発版)